rugtaku’s diary

日々のニュースで疑問に感じたことを取り上げる

4分の1の支持で、政権を動かす

 7月23日に行われた群馬県知事選挙は、80%近い得票率を得た自民党公明党の推薦をもらった山本一太氏が2回目の当選を決めた。8割近い支持率といえば聞こえは良いが、なんと投票率は29.65%。つまり3割に満たない有権者が投票した結果である。投票率3割、のうち得票率8割、0.3×0.8=0.24ということで4分の1に満たない支持率で政策を決める重責を担う。

 

 国政レベルでも、思い返してみれば5割未満の得票率で5割そこそこの得票率、やはり0.5×0.5=0.25でやはり4分の1の支持率である。小選挙区制といういびつな選挙制度で、過半数を超える支持を得ている政党が、6割を超える議席を確保して数を武器に強行採決を繰り返す、それが果たして健全な民主主義の姿と言えるのであろうか。

 

 少なくとも4分の1の支持で、国民の多数意見を背負っているというのはおこがましいのではないだろうか。世論が与党の政策批判を高らかに言い始めると、解散という脅し文句をそれとなくみせることで、自らの優位性を誇ろうとする。残念ながら、現在の野党にそのような揺さぶりをかけられると、途端に揺らいでしまう。立憲民主党にしろ、維新の会にしろ自由民主党政権に代わって政権を担う勇気は持ち合わせていない。官僚は官僚で自己保身から自民党からの束縛から逃れる術は持ち合わせていない。

 

 また日本銀行も、これまでの金融緩和政策から脱却する有効手段をなかなか打ち出せない。残念ながら、長年のデフレ政策により日本経済は大きなダメージを受けており、世界経済が直面しているインフレ経済への対応に至っていない。世界経済と乖離した形で日本経済は消費者物価が上がっていく状況に対処しきれていない。賃上げが息切れしかねない現状で、消費者物価は上昇を続けている。しかしながら、それは日本の消費需要を委縮しかねない。

 

 価格にコストを転嫁すれば、商品の売れ行きは下がる。そうなれば、実売価格は下げざるを得ない。コストを上乗せした価格で商品が売れれば問題はないが、それが難しいのが日本経済の現状ではないだろうか。企業は株価の安定を図るために株主優遇を行うのではなく、まずは社員を優遇するために賃上げを行い、それによって商品の売り上げ増を目指すべきであろう。社内スタッフを優遇することで、まずは商品の売り上げ増を目指すべきである。それが経済の活性化につながるはずである。

 

 中間層を厚くすることが、消費需要を拡大する道である。人口が減る中でGDPを伸ばす手段はそこにしかない。

 

 また、民主主義とは4分の1の声を代弁することではないことは、多くの人が認識しているはずだと思われる、にもかかわらず、このような不自然な状況が生まれているのか。違和感を持つ人はいないのであろうか。このような現象に対し、特効薬としての処方箋を持ち合わせていないのが残念である。しかし、真摯に現状を分析し、改善策を早急に講じない限り、ますます状況は悪化せざるを得ないのではないか。民主主義の行方と日本経済の先行きを真剣に模索する時が来ているのではなかろうか。