rugtaku’s diary

日々のニュースで疑問に感じたことを取り上げる

小中学校生の不登校児、過去最高29万人に達する。

 文部科学省が行った昨年度の「児童生徒の問題行動・不登校調査」の結果、不登校の小中学生は過去最多の役29万9千人。前年度比22.1%の大幅増となった。小学生の不登校児10万5113人、中学生の不登校児19万3936人。在籍する児童生徒の3.2%にあたる。大阪府における通信制高校への進学率が1割を超えていることを考えても、至極当然の調査結果ではなかろうか。一言でいえば、全日制高校を選択しない生徒が1割、大阪でいえば7000人近くが通信制を選択しているのである。

 

 しかし通信制高校は、自分で学習する習慣を確立しなければ、全日制に比べて圧倒的に学習時間が少ない。本人の学習意欲が高くなければ、知識の蓄積やスキルの向上は望めない。それはそうであろう。2単位モノの歴史総合は、全日制では週2時間年間35週あれば70時間学習指導を受けることができる。英語は4単位であれば年間140時間の授業がある。対して通信制では最低2時間のスクーリングを受けてレポートを6枚合格すれば歴史総合の履修ができる。英語は最低16時間のスクーリングと12枚のレポート合格で履修が完了する。この数字だけ見ても理解できるであろう。もちろん、授業に出ていても、まったく先生の説明を聞いていない場合もある。それでも、圧倒的に学習の機会は全日制のほうが優位である。

 

 何を言いたいのか。それは、十分な学習を受けることができない生徒が増えているという事実を認識しなければならないということである。その現実を受け入れて、これからの社会にどんな対策が必要か考えなければならない。通信制を卒業した人が、全日制に比べて全体として力量が低いと考えてよいかは別物である。ただし、よほどの努力を重ねた人が、本来の夢の実現に向かうことができているとみるのが冷静な観点からの評価ではなかろうか。

 

 そういう意味では、小・中学校で不登校を経験する人が増えて、通信制高校などに進路変更を余儀なくされる傾向が進むことは、日本の社会を弱体化させる。学校制度が崩壊の危機に瀕しているという認識の下、疲弊している学校教員の現場をどうするかという問題も存在する。現実の問題を後追いするしかないだけでは問題の解決はありえないのではなかろうか。