rugtaku’s diary

日々のニュースで疑問に感じたことを取り上げる

統一地方選、投票率が示すもの

 9日に行われた統一地方選の前半戦。9道府県知事選の平均投票率は伸び悩んだ。現職が強いといわれた神奈川は40.35%と4割すれすれ。福井は前回より7%低下、島根も7%低下、大阪も2%余り下がった。北海道も、鳥取も下がった。投票率が上がったのは、保守が分裂した徳島県奈良県大分県であった。それも徳島県でようやく54.96%で一番高い数値を示した。奈良も54.82%と数値は上がったものの、その程度である。関心度が高くなっても6割に届かない。

 

 41道府県で行われた道府県議選も平均投票率は2011年に初めて5割を切り、前回では33道府県議選で最低の数字を記録し、今回も29県で過去最低を更新して、投票率が50%に満たない府県が全体の7割を超えた。無投票選挙区が4割近くもあったため、全939選挙区のうち348選挙区で、総定数2260のうち、565人が告示日に無投票当選を決めた。

 

 今回の結果で特筆すべきことは、大阪のダブル選挙で維新の会が大阪府知事大阪市長を落とさなかったこと、奈良県知事を維新公認で勝利したこと、そして道府県議選で前回を大幅に上回る結果を出したこと。大阪府議会では79議席中55議席を押さえ、大阪市議会でも81議席中46議席を占めた。維新の会が大阪を中心に関西で大きな勢力として定着したことを示した点であろう。維新の会は、身を切る改革(報酬カット、退職金事態といった人件費削減)など府民受けする政策で支持者を集めているが、カジノ推進といった疑問符がつく政策もある。幸いにして公営カジノが政策論争にならなかったことで、維新の勝利が転がり込んだ。また低投票率は全国的には自民党公明党など堅い支持層がを有する政党にとって有利な結果をもたらしたようである。

 

 低投票率は、棄権票の増加の裏返しである。参政権が国民にとって権利として意識されていない。それは、政治が国民の声を聴こうとしなくなっているためである。たとえば、防衛費が内閣の決定で2倍に引き上げられることを決め、予算審議も十分に行われないままに新年度予算が決定されていることが問題にならない。どちらかというと立法府が立法たりえる役割を果たさずに、行政府に屈している現状を変える必要があるのではなかろうか。また権利の行使を忘れてしまった国民はどこへ行くのだろうか。