rugtaku’s diary

日々のニュースで疑問に感じたことを取り上げる

介護保険制度は維持できるのか?

 介護保険料がどんどん高くなっている。年金をもらっている人々にすれば、減る年金給付額からさらに介護保険料の値上げ分が天引きされるので値上げは懐具合に直接影響する。これでは、何を節約すれば良いか、庶民は絶えず考えざるを得ない。現役世代もまた、社会保険料の値上げが厳しい現実を突き付けてくる状況はほとんど変わらない。

 

 2000年度に介護保険制度が始まったとき、65歳以上の介護保険料は月2911円であった。それが毎年のように値上げが繰り返され、2015年度には月5000円を突破。現在国の基準では9段階に区分され最も高い人(合計所得320万円以上)は、基準額の1.7倍、最も低い人で0.3倍を支払う制度になっており、基準額は現在全国平均で月6014円となっている。つまり、介護保険負担額の多い人は月1万円を超える状況になっているのである。

 

 介護保険料の値上げが止まらない上に、介護士の成り手が少ない問題も付きまとっている。訪問介護では待機時間が無給のため、介護従事者にとって収入が増えないジレンマが続く。制度設計の修正を考えないと、介護の担い手は増えないし、利用者の満足度も上がらない。そして介護保険料の値上げは止まらない。この悪循環をどうすれば是正できるのか。政治の怠慢を考えざるを得ない。

 

 健康保険制度もしかり、介護保険制度もしかり、本来利用者負担をあまり増やさないことがセーフティネットとして機能するはずである。国民が安心できる社会を実現する制度を確立することこそ、政治家の役目ではなかろうか。

 

 円安に歯止めをかけるために、2か月で10兆円近くを使って為替介入を行っているが、そんな財政出動が行われているが、それは優先順位としてはどうであろうか。ガソリン価格の上昇を避けるために、補助金が使われる。電気料金やガス料金の上昇を避けるために補助金が使われる。そのために家計の負担が少しは和らぐものの、値上げに対して少しだけ鈍感になるかもしれないが。毎日食べる食料品を購入するために小売店に行くと、本当に様々な商品の値上がりを実感し、買い控えにつながっているのが現実である。庶民の生活は、どんどん厳しい状況になりつつある。