rugtaku’s diary

日々のニュースで疑問に感じたことを取り上げる

欧米と日本の大きな差

 英国の消費者物価が10%近くになるという。米国の4月の消費者物価指数は前年比8.3%上昇で、数か月にわたり40年ぶりの物価高が続いている。3月が8.5%上昇だったのが、ようやく少しだけ上昇率が落ち着き、峠を越したという見方もあるようだが、景気の過熱がなかなか収まらない。対して日本小売店の商品価格は上昇し、ガソリン価格は高止まりが続いている。にもかかわらず、賃上げが目立たないためか、消費者物価は上昇傾向にあるにもかかわらず、金利引き上げという政策にはいかない。

 

 欧米との金利差が拡大し、為替に大きな影響をもたらしているにもかかわらず、円安を容認する黒田日銀総裁の金融操作には疑問を感じざるを得ない。たしかに金利を押し上げれば、これまでの国債発行額を考えれば、大きな財政上のリスクを抱えることになる。けれども、このまま円安による原材料高を容認すれば、苦しむのは日本国民ではないのか。トヨタや、ソニーが為替差益から空前の利益を稼ぎ出したという記事が躍るが、そこには部品メーカーの多くが利益がないとか、原材料価格の高騰や部品不足という不安が垣間見える様子が書かれている。

 

 残念ながら日銀の量的緩和策は、株価を維持したりあげるだけで、企業や株主などを潤すだけである。富裕層にとってはありがたい政策だが、そのことにより日本国民が貧困化していくならば、日本経済は活性化するはずがない。お金を使って総需要の増加に貢献してくれるような中間層を増やすことこそ目指すべき目標である。そういう意味では、バラマキといわれようが、昨年国民に配られた10万円の給付金政策を続けるべきではなかろうか。多くの家族が貯金に回したので、期待したような効果は上がらなかったという評価もあるが、それは1回限りであったからである。継続的な政策とするか、そうでなければ将来の生活不安を取り除けるような政策が並行して行われなければならない。

 

 現在の日本は、ぜい弱なセーフティネットしかなく、救済から漏れる人が多すぎる。そのため自らの生活は自分自身で守る必要性を感じているのである。元気に働きに出ている高齢者が増えたといわれるが、そうではない。働かなければ食えないのである。病気になったり、働けなくなった時の不安から逃れたいために働かざるを得ないのである。普通に考えても、リタイアして優雅な余生を過ごしてくれれば、それなりに消費する額も多くなるのではないか。それが70歳を過ぎても将来の生活が不安だからと県や国走る国民が多いことが問題なのではなかろうか。

電気料金、さらに値上げ!!

 大手電力会社は、27日6月の電気料金を発表した。それによると、1年前より各社とも1~2割も値上がりし、過去5年で最高水準に達した。しかも、東北電力(6月で上限に達する)、北陸電力関西電力中国電力四国電力沖縄電力は燃料価格の料金への反映が上限に達したため、料金の値上げはない。天然ガスや石炭などの燃料価格の高騰が電力会社の経営を圧迫していることがうかがえる。1年前と比べると、一般的な家庭の料金は、昨年6月から東京電力が1652円上がり8565円に、中部電力が1628円上がり8256円になるなど軒並み高くなっている。

 

 政府は、石油元売り会社にガソリン補助金を1リットルあたり31.8円を支給し、当面のガソリン価格が170円に達しないようにすることにしたものの、円安の動向もあり、エネルギー資源の高騰が収まらない状況の中で、電力やガスなど水道光熱費の上昇要因もあり、国民の家計は苦しくなるばかりである。

 

 賃金が思ったように上がらないうえに、エネルギー資源および食料資源の高騰と円安のもたらす弊害は、家計を直撃している。政府は物価高に対応する政策を緊急に打ち出さないと、参議院選挙を前に国民から批判の声が上がりそうである。

 

 ロシアのウクライナ侵攻の先行きが見えない上に、米国と日本の金利差が拡大していく予測の中で、円安が続けば、日本国民の家計はさらに苦しくなりそうである。

高齢者支援で5000円給付案

 少しでも給付金がでれば文句を言う人は少ないだろう。この考えがとんでもなく間違っていることを政府与党関係者は思い知らされたようである。2600万人の年金受給者に対し、5000円の臨時給付金を支給しようという案が危うく実施されそうになったが、高齢者優遇ではないか、そして支給するための経費が膨大であるという理由で立ち消えになった。

 

 こんな政策案が出てきたのは、物価がインフレ気味になっているのに、賃上げ誘導しても企業は重い腰を上げないし、参議院選挙対策としても効果的なアイデアが見つからなかったためと想定されるが、何ともお粗末な顛末である。この5000円給付案に関しては、高齢者周辺からもたったそれだけの金額ではありがたみもないという意見が大勢を占めたそうである。そういう意味では、政府与党の枢要な人々の中では、庶民の生活実態を理解している人が少ないのではないだろうか。日々の生活に対して、どのような不足があるのか、そして社会に対してどのような😊要望があるのか、それらを把握する努力は続けているのであろうか。

 

 政治家の意識として、選挙対策が先ず第一なのであろうが、政治家の責務は国民の生活の安定と向上、そして安全であるはずである。政治家自身の保身が第一では、あまりに寂しいではないか。政治家がこの程度では、日本の民主主義が衰退するのも仕方がないのかもしれない。

大幅金融緩和を続けて、円安誘導

 日銀黒田総裁の大幅金融緩和の継続発言は、首をかしげるしかない。原油天然ガスの高騰、そして小麦をはじめとする原材料の高騰。コロナ禍ではじまった需給不均衡から起きたことだが、そこにロシアのウクライナ侵攻という新たな要素が加わった。

 

 米国はコロナ禍で行われた大幅金融緩和によるインフレが進み、その解消を図るために早々と利上げを行ってゼロ金利からの離脱の道を歩み始めた。それに対し、日本はいまだデフレ脱却はならず足腰の弱い経済には金融緩和が必要だという論理である。しかし、そのおかげで6年ぶりの1ドル120円台という円安となった。原材料コストやエネルギーコストが高騰する中で、さらに追い打ちをかける円安誘導が日本経済を痛めつけるリスクは考えたのだろうか。どうも日本経済の金融政策をリードする立場にある人の考えはよく理解できない。

 

 日本国民は、現在の諸物価高騰に苦しめられるだけでなく、これからしばらく賃金はあまり上昇しないのに、物価高騰の中で家計をコントロールしなければならない状況に追い込まれたようである。行政は国民の家計を守るために奮起してもらいたいものである。